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フェルメール「絵画芸術」絵に込められた3つの寓意の謎からその魅力をひも解く

投稿日:2018年7月28日 更新日:

フェルメールの人気作品としてもっともすぐに思いつくのは「真珠の耳飾りの少女」ではないでしょうか。

たしかに「真珠の耳飾りの少女」は見る人を魅了する絵です。

 

しかし、専門家の間ではフェルメール史上最高の出来は「絵画芸術」だと言われています。

なぜ、そのように言われるのか?

それは、ただ絵をみただけではわからない秘密や謎がたくさんつまった作品だからです。

そこで、今回は絵画芸術の魅力について迫っていきたいと思います。


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絵画にはジャンルごとに格式が存在する

絵画は描くものによってジャンルが異なります。

【絵画のジャンル】

山や街並みなどをキャンパスに描けば風景画

特定の人を描けば肖像画

歴史上の出来事や神話を題材にした絵は歴史画
※歴史画の中には「宗教画・神話画」も含まれます。

人々の暮らしや日常を描いた風俗画

机の上のリンゴなど静止しているものを描く静物画

当時のオランダ絵画にはジャンルごとに格式という階層がありました。

歴史画>肖像画>風俗画>風景画>静物画

左に行くほど位が高くなります。

 

一番位が高く最高位にあるのは「歴史画」です。

しかし、当時のオランダには宗教画や神話画などの歴史画は人気がなく描いてもまったく売れなかったのです。

そのため多くの画家は歴史画を描くことをあきらめ肖像画か風俗画を描くようになります。

 

実際にフェルメールも初期の3作品のみ歴史画を描き、それ以降は風景画または風景画を描いています。

しかし、画家である以上は最高位としての歴史画を描きたいという想いはつねにあったはずです。

絵画芸術はこうして生まれた

もし、あなたが画家で歴史画を描きたいけど、売れる風俗画を描くしなないという状況にあったらどうしますか?

フェルメールがたどり着いた答えは、風俗画の中に歴史画を描くことだったのです。

えぇっどういうこと??

絵画芸術はたんなる室内を描いているだけではないのです。

 

このページの後半で詳しく説明しますが、絵画芸術の画家が描いている女性はギリシア神話に登場する「女神クリオ」です。

つまり絵画芸術の中の画家は最高位である歴史画(神話画)を描いていることになります。

 

その様子を描いた風俗画が絵画芸術なのです。

絵画芸術という作品タイトル

フェルメールは43歳で大きな負債を抱えたまま亡くなります。

このときにフェルメールの絵はほとんど遺族には残っていませんでした。

しかし、1点絵画芸術だけはフェルメールが生きているときでも手放さなかったのです。

 

フェルメールの妻カタリーナは借金のかたに絵画芸術が取られることを恐れ母親のマーリアに絵画芸術を渡します。

 

そのときのメモに

絵画1点 絵画芸術が描かれている作品

と書かれていたことから、この絵は「絵画芸術」と呼ばれるようになりました。

まるで映画のセット部屋

フェルメール作品には似たような構図の絵がいくつかあります。

細かく見ていくうちに、それらはすべて同じ部屋だということに気がつきました。

左:絵画芸術  右:信仰の寓意

天井や床がまるっきり同じですね。

いやいや、たまたまだろう

確かに「絵画芸術」と「信仰の寓意」は、対をなす作品ともいわれることがあるので、この二つの絵の構図が似ていても不思議じゃないかもしれません。

 

では、これはどうでしょうか!

床のタイルに注目してみてください。

どれも同じ白と黒の柄になっていますよね。

でも、部屋に置かれている机などの家具はそれぞれの絵で違います。

 

つまり、これらの絵はそこにあった日常を描いているようで、実は映画のセットのように絵のためだけに作られた空間であることを示しているのです。

 

絵画芸術に描かれているシャンデリアもカーテンも椅子もテーブルもフェルメールはそこにあえて設置しているのです。

なぜ、フェルメールの絵の構図の多くが左から光が差し込むのか?

それは、窓が左にしかない部屋で多くの絵が描かれているからです。

絵画芸術に描かれている寓意の意味を探る

絵画芸術のことを調べていくと「寓意」という言葉が出てきます。

「寓意」とは簡単に言うと「比喩(たとえ)」が一番イメージとしては近いでしょう。

たとえば、現代の人がこの写真をみれば「静かに」という意味があることはわかります。

でも、未来にこの仕草が存在しなかったらこの写真の意味するものが理解できません。

 

「寓意」はその時代にひとにとっては当たり前のことでも、後の時代の人が見るとその意味を理解するのに苦労するものなのです。

絵画芸術に描かれている女性の寓意

画家が描いている女性、大人のような子供のような不思議な雰囲気を出しているように見えます。

しかも、なんだかおかしなカッコをして部屋にそぐわないものを持っていますよね。

 

私たちにとって、この女性は奇妙にうつりますが、当時の人はこのモデルの女性がギリシャ神話の女神「クリオ」だということをわかっていました。

つまり、これが「寓意」というわけです。

 

でも、なんでクリオだってわかるの?

それは女性の持っている持ち物があらわしているからです。

絵画においてクリオをあらわすとき

・トランペット
・書物
・月桂冠

これらを一緒に描きます。

見事にモデルの女性の小物と一致しますよね。

 

その意味は

トランペット:人類の偉業をたたえている

書物:人類の偉業を記すもの

月桂冠:栄誉・名声

これらの意味からクリオは歴史を司る女神だと言われています。

 

モデルが人ではなく女神なのは絵の中の画家が描いているのは歴史画だとわからせるためでしょう。

 

しかし、なぜクリオなのでしょうか?

人によってはこの絵の解釈を

・オランダの歴史を讃えているから

・歴史画を描いているから歴史の女神なんだ

と主張する人もいます。

 

フェルメールの絵はこのようにわかっていないことも多く、寓意をどう解釈するかは人それぞれです。

私としては、フェルメールが「クリオ」を描いているのにはやはり大きな意味があるように思えてなりません。

 

そこで、クリオについてさらに深く調べてみたところ

歴史の女神と言われていたクリオですが、やがて

・芸術の女神
・美の女神

に変わっていくことがわかりました。

 

歴史の女神ではよく意味がわからなくても、「芸術の女神や美の女神」ということならば話は変わってきます。

 

芸術の女神ならまさしくの作品タイトルである絵画芸術に通じるところがあります。

一方、美の女神ならばモデルの女性に特別の感情を持っていたとも考えられます。

 

ちなみに、クリオ役のモデルの身長は150cmくらいだろうと考えられています。

当時の成人オランダ女性としてはかなり低い身長になります。

だとするとフェルメールの子供のひとりだったのではないかという推測が成り立ちます。

双頭の鷲の寓意とは

シャンデリアの上のところにハプスブルク家の象徴である双頭の鷲が描かれています。

研究者によるとこれにも意味があり、ハプスブルク家はカトリックを擁護していたからカトリック信仰を表現しているという人もいます。

 

しかし、ハプスブルク家はスペイン系ハプスブルク家とオーストリア系ハプスブルク家にわかれることから「分裂」を意味しているかもしれません。

また、フェルメールの時代にオーストリア系ハプスブルク家が弱体化することから「昔の栄光・過去の栄光」をあらわしているのかもしれません。

 

フェルメールが何もない部屋にわざわざあの位置にシャンデリアを設置したことは明白です。

であるのなら、もともと義母の家にあったものを飾っただけで実は意味などないのかもしれないのです。

メモ

フェルメールは妻カタリーナと結婚当初はメーヘレンにて生活していたが、しばらくして非常に裕福なカタリーナの実家でカタリーナの母親とともに暮らしています。

描かれた地図の寓意の謎

地図を見ると上下に不自然なシワが入っています。

でも、地図の右上には布本来の自然なシワもあります。

自然なシワが描かれているということは、縦にはいっている不自然なシワは意図的に描かれていることが予想できます。

 

北部ネーデルランドはスペイン系ハプスブルク家から独立したばかり、

一方南部ではいまだにハプスブルク家の支配下にあったことから南北の分裂を意味しているという見方をする人もいます。

 

んん!?南北ってどういうこと東西の間違いじゃななくて?

当時の地図は西が上に描かれているので、右が「北」左が「南」になります。

 

さて、もう一度上の画像をみてください。

よく見ると地図の左右のほぼ真ん中にシャンデリアがあることがわかります。

おそらくこの位置もフェルメールの計算だったのでしょう。

 

しかし、よく見るとわずかですがシャンデリアはによっています。

不自然なシワがちょうど地図の真ん中なのでシャンデリアが少し左によっているのが確認できると思います。

 

地図の左側は南部ネーデルラントです。

くしくもハプスブルク家が支配する南部側にハプスブルク家の双頭の鷲が描かれたシャンデリアをよせているのは・・・

これもフェルメール計算だと思われます。

カーテンが意味するものとは

先ほどもお伝えした通り、これらの絵は絵画芸術と同じ部屋を描いたものです。

左下の絵を見るとよくわかりますが、この部屋にカーテンは存在していません。

 

つまり、フェルメールはわざわざカーテンを設置したことになります。

でも、よく見るとこれってカーテンでしょうか?

カーテンなら窓の近くにあるはずなのに、絵ではまるで部屋を遮るように吊るされています。

 

よく見ると舞台などに使われる「幕」に似ていませんか?

もし、フェルメールがカーテンのようなものを「幕」として描いていたらどうなるでしょうか?

向こう側の世界は言わば舞台の世界

つまり、日常ではなく非日常を描いていることになります。

 

どうして、フェルメールが向こう側を非日常の世界として描きたかったか理由はわかりません。

もしかしたら、「幕」を作ることで見る人に、まるで舞台を見ているような観客の気分を味わって欲しかったのかもしれません。

右の絵は「信仰の寓意」というタイトルの作品です。

床と天井が絵画芸術と同じなので同じ部屋だと思われます。

じつは右の「信仰の寓意」は描かれている女性が芝居がかって品位に欠けることから絵画の世界では低い評価を受けています。

 

しかし、左側の絵にも「幕」らしきものが描かれています。

ということは「信仰の寓意」も「絵画芸術」と同じように描かれているのは非日常である舞台を描いていることになります。

もしかしたら、フェルメールはわざと芝居がっかたように描いたのかもしれません。

画家はフェルメール自身なのか?

描かれている画家はフェルメール自身だという説もあります。

 

絵の中の画家は女神クリオを描いていることから歴史画を描いていることになります。

歴史画を描くというのは画家にとってステータスのようなものなので、フェルメール自身を画家として絵のなかに登場させてもおかしくないように思えます。

 

しかし、絵画芸術はすべての配置が写真のように正確な遠近法で描かれています。

ここまで正確な描写ができるのは、フェルメールがカメラの前身であるカメラ・オブスクラを使っていたからだと推測されます。

カメラ・オブスクラはレオナルドダヴィンチも使っていた方法で、正確な遠近法を二次元のキャンバスに描くことができます。

 

しかし、スマホで後ろ向きの自分を自撮りできないように、後ろ向きの自分をカメラ・オブスクラを使って描くことはできません。

なのでも、もしかしたら、知り合いの画家にモデルになっているのかもしれません。

 

ちなみに、絵画芸術に描かれている画家ですが、フェルメール作品のかなり初期である「取り持ち女」に似たような感じで登場しています。

【左:絵画芸術 右:取り持ち女】

絵画芸術はフェルメール作品の分岐点となるもの

絵画芸術以降の作品には「幕」に見立てたと思われるカーテンが多く登場します。

【絵画芸術以降の作品】

もしかしたら、フェルメールは絵画芸術以降の自分の絵は「風俗画」というジャンルを超えた「芸術画」ともいうべき、まったく新しいジャンルのつもりで描いていたのかもしれません。

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