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フェルメール「牛乳を注ぐ女」完全解説!美術館に行く前に知らないと損する9つポイント

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無心で見ているだけでも魅了されるヨハネス・フェルメールの代表作のひとつである「牛乳を注ぐ女」

事前の知識などなくても十分に堪能することができるでしょう。

 

しかし、美術館にいく機会があるのなら絵に隠された情報を事前に知っておくと実物を見たときに何倍も楽しめると思います。

そこで、このページでは知っておくと自慢できる「牛乳を注ぐ女」の情報をたくさん紹介したいと思います。

 

最近はカップルのデートコースとして美術館や博物館が注目されています。

恋人に「牛乳を注ぐ女」の見るべきポイントや恋人も知らない情報を教えてあげれば、きっと恋人はあなたのことを尊敬の眼差しで見てくれることでしょう。

ひとりで見に行く場合でも、あらかじめ予習をしてから実際の絵を見ることでたくさんの気づきに出会えると思います。

【関連記事】
【フェルメール全作品】ヨハネスフェルメールという作家の魅力を完全解説


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牛乳を注ぐ女の概要

まず初めにこの作品の概要として

・牛乳を注ぐ女の年代
・牛乳を注ぐ女のサイズ

の二つを紹介していきます。

牛乳を注ぐ女の年代

「牛乳を注ぐ女」の正確な年代はわかっておらず専門家によっても意見がわかれています。

1657年~1658年という意見が多いです。

フェルメール26歳ごろの作品だと言われています。

【フェルメールの他の作品】

1665年ごろ:『真珠の耳飾りの少女』
1665年ごろ:『手紙を書く女』
1666年ごろ:『絵画芸術』
1669年ごろ:『レースを編む女』

フェルメールの有名な作品の多くは1660年以降に書かれており、「牛乳を注ぐ女」はフェルメール作品の中でもかなり初期に描かれたものです。

 

26歳で後世に残るこれだけの作品を完成させているのがすごいですよね。

もう芸能界を引退されましたが、しゃべりの天才と言われていた島田紳助さんは漫才に関してこんなコメントをのこしています。

漫才がうまいヤツは最初からうまい。
ダウンタウンは初めから面白かった。

by島田紳助

絵画の世界もうまい人は最初から絵がうまく、人を引き込む魅力のある絵を描くことができるんでしょうね。

ちなみに、2018年の上野の森美術館のフェルメール展に出展される紳士とワインを飲む女とほど同年代の作品です。

牛乳を注ぐ女のサイズ

牛乳を注ぐ女 サイズ

牛乳を注ぐ女:45.5×41cm

フェルメール初期のころの作品は真偽に疑いのあるもを含めても大きめのものが多いです。

その中でも「牛乳を注ぐ女」は比較的に小さいサイズの作品となります。

 

牛乳を注ぐ女よりも小さいサイズの絵には次のようなものがあります。

【牛乳を注ぐ女よりも小さく7作品】

中断された音楽の稽古:39.3×44.4cm

青衣の女:46.6×39.1cm

天秤を持つ女:39.7×35.5cm

手紙を書く女:45×39.9cm

少女:44.5×40cm

レースを編む女:24.5 cm × 21 cm

恋文:44×38cm

【フェルメール作品か真偽が怪しいもの】

赤い帽子の女:22.8×18cm

フルートを持つ女:20×17.8cm

ヴァージナルの前に座る若い女:25×20cm

一番小さい絵は「フルートを持つ女」ですが、素人の私が見てもフェルメールの作品だとは思えません。

フェルメール フルート

「赤い帽子の女」「フルートを持つ女」はタッチが似ておりキャンバスではなく板に描かれています。

この2作品を除けばフェルメールの作品はすべてキャンバスに描かれています。

そのため、先の2作品はフェルメール作品ではないとみなしている研究者のほうが多いです。

 

真偽の怪しい2作品を除くと一番小さい絵は有名な「レースを編む女」です。

美術館で鑑賞する前におさえておきたい9つのポイント

女中がメインなのは牛乳を注ぐ女だけ

この「牛乳を注ぐ女」の英題は「The Milkmaid(ザ・ミルクメイド)」

ミルクメイドって何?

当時、大きな酪農家では牛の乳を搾る専用のメイドがいたようです。

そのメイドのことをミルクメイドと呼び、オランダの風俗画として台所を舞台とした絵の登場人物として描かれていました。

しかし、それらの作品の多くは性的な意味合いを持っていたのです。

 

The Milkmaidという英題からもわかるように、「牛乳を注ぐ女」に登場する女性も元々はミルクメイドだと思われていました。

しかし、この作品に登場する女性のたくましい体つきや堂々とした姿から、フェルメールが当時最も信頼を寄せていた女中の「タンネケ・エフェルブール」だと考えられています。

 

タンネケはフェルメール家の家事全般を任されていた女中なのでミルクメイドとは異なります。

ただし、この作品の正式な作成年月日はわかっておらず、描かれている女性が誰なのかは推測の域をでません。

 

ちなみに働く女性をメインで書かれた作品は生涯において「牛乳を注ぐ女」ただひとつです。

そのことからもフェルメールがどうしてもこの女性またはこの構図の絵を描きたかった理由があったのでしょう。

メモ

フェルメールの妻カタリーナの父や弟は相当な乱暴者でフェルメール家に着ては暴力をふるって修羅場になっていました。

そこに割って仲裁していたのがしっかりもののタンネケだったのです。

牛乳を注ぐ女に隠された想いとは

フェルメールが生きた時代のオランダ絵画ではメイドは男性の欲望をかきたてる存在として描かれることが多く。

「牛乳を注ぐ女」のようにメイドを気品ある存在として扱った例は多くありません。

 

そういう意味で、この作品は当時の主流とかけ離れており異例だったとも言えます。

しかし、性的な描写などみじんも感じさせないこの作品にも隠された意味があると考えられています。

 

実はこの絵には「男性への想い」を意味する「キューピット」が描かれているんです。

どうですか!?

どこに描かれているか見つかりました??

 

じつは

牛乳を注ぐ女 キューピット

たしかによく見るとキューピットの象徴である弓を持っているのがわかりますね。

しかも、キューピットか描かれているのが女中のすぐ後ろというのもなんだか意味深ですよね。

美術館に行った際はこのような細かいポイントもぜひ見ておきたいです。

 

他にも

水差し:女性
牛乳:男性

をあらわしているともいわれています。

 

この絵の解釈として

・女中が恋する主人のために丹精込めて料理を作っている

・フェルメールの女中への想いが隠れている

このように取ることもできますね。

 

いっけんすると、この「牛乳を注ぐ女」は熱心に仕事をする女中の姿の様子を切り取っただけのように思えます。

しかし、注意深く絵に描かれているものを観察していくと、そこには別の「誰かへの想い」が込められていることに気づかされます。

女中の表情

牛乳を注ぐ女 表情

絵に込められた想いが最もよくあらわれる場所とはどこでしょか?

それはやはり表情でしょう。

 

女性の顔がうつむき気味なので表情を読み解くのは難しいですが、

・慈しみ
・愛情
・悲しみ
・奉仕

と言ったどちらともとれる表情をしているように私には思えます。

 

また、女性の視線が牛乳を注いでいるところから少しズレているようにも見えます。

作業をしていて手元を見ないときは他のことを考えているからです。

なので、もしかしたらこの女性もなにか物思いにふけっているのかもしれません。

 

実際にどのような表情をしているのか、じかに美術館で見てみたですよね。

牛乳を注ぐ女のおかしいところ

「牛乳を注ぐ女」にはおかしな点が二つほどあります。

【牛乳を注ぐ女のおかしなところ】

①牛乳を注ぐ壺の角度がおかしい

②テーブルの形がおかしい

壺の傾き加減からして、本来は牛乳がこぼれる角度ではありません。

 

この絵のもうひとつのおかしな点がテーブルです。

長方形のテーブルを描いたらふつうは画面左のような構図になるはずです。

しかし、実際には画面右のような構図で描かれています。

牛乳を注ぐ女 おかしい

そこで、長い間この絵はわざと実際の見た目と違って描かれている。

と考えられていました。

 

しかし、当時のオランダに下の画像のようなテーブルが存在していたことが明らかになりました。

作品に描かれているのはこのような六角形のテーブルだったのです。

割れている窓

窓の上から2段目の壁が側の窓が割れています。

牛乳を注ぐ女 割れている窓

なんでも細かいことは気になってしまう性質なので、この割れた窓の意味について色々と調べてみました。

が・・・

結局何も理由はみつかりませんでした。

 

モデルとなった場所の窓がたまたま割れていたからそのまま描いただけとも思えます。

しかし、他にフェルメールの意図があるようにも思えます。

 

窓が割れているのは何らかの関係がうまくいっていない(ひびが入っている)ことをあらわしているんじゃないでしょうか。

 

フェルメール作品には多くの窓が存在し、窓は外の世界をあらしていると考えられています。

もしかしたら、世間や社会的に何らかの不満があることのあらわれかもしれません。

リアルすぎる牛乳の秘密

牛乳を注ぐ女 牛乳

注がれている牛乳は同じ太さではなくよじれているように見えますよね。

なぜ、このように描かれているのかというとそれがリアルだからです。

牛乳は注がれると地球の自転の影響?でこの画像のようにねじれるのです。

フェルメールは忠実に牛乳のねじれまでも再現しています。

リアルすぎる壁

後ろの白い壁にはクギクギを抜いた痕までありありと描かれています。

牛乳を注ぐ女 壁

【クギとクギ痕を拡大したもの】

本当にこの絵は細部にまでこだわって描かれていますよね。

肉眼ではどのように見えるのでしょうか。

消失点

絵画の解説などをみていると「消失点」という言葉ができてきます。

でも、私たち素人にとって「消失点」などと言われてもピンときませんよね。

 

「消失って何かが消えるの??」

なんて思ってしまいます。

 

消失点とは線と線が交わるところをさします。

例えば、真正面から見た道路の絵を描くと下のようになります。

消失点

本来、道路の幅は同じですが、目には遠くに行くほど道路が狭くなっていくようにうつります。

そして、最後には消失点で道路は見えなくなってしまいます。

このように絵は消失点に向かって線が描かれます。

 

このような見え方をするのはカメラを使った写真の場合も同じです。

フェルメールってカメラを使っていたの?

フェルメール絵は正確な遠近法が使われています。

そのためカメラの前身である光学装置のカメラ・オブスクラを使用したのではないかと言われています。

メモ

カメラ・オブスクラとは暗い部屋に小さな穴をあけて壁や髪に外の景色をうつし出す方法のことです。

下絵から無くなった二つのもの

 

X線の調査によると、「地図と洗濯かご」が下絵から消されていることがわかります。

 

なぜ、地図と洗濯かごを消して白い壁だけにしたのかはわかりません。

でも、もし洗濯かごと地図が描かれていたとしたらどうでしょうか?

 

いまの構図って明らかに画面左に物が集中して(窓、テーブル)右側には壁しかありませんよね
(足元に小さな箱がありますが)

ものの美しさって左右非対称にあると思うんです。

もしかしたら、そんな理由から右側のものを消したのかもしれません。

 

逆に言えば、右下の足元にある小さな箱は絶対に描きたかったものなのでしょうね。

小さな箱の正体は足温器です。

つまり、描かれている女性はかなり寒い台所で足温器をつけて健気に仕事をしていることになりますね。

もしかしたら、フェルメールをそれを伝えたかったのかもしれません。

【関連記事】
【フェルメール全作品】ヨハネスフェルメールという作家の魅力を完全解説

牛乳を注ぐ女を立体的に見る方法

最近の技術の進歩はすさまじいですね。

じつは、アプリを使えば「牛乳を注ぐ女」を3Dで鑑賞することもできちゃうんです。

 

こちらがその動画です。

このアプリを作るあたって牛乳を注ぐ女をかなり詳細に調査されたようです。

その際に描かれている女中の右腕が実際にはあり得ないほど大きく描かれていることがわかったそうです。

そういわれて見ると、確かにプロレスラー並みにがっしりした腕をしていますね。

 

ちなみに、このアプリは無料でダウンロードできるようです。

アプリはコチラ【無料】
※iPhone専用

「牛乳を注ぐ女」完全考察【まとめ】

いかがでしょうか。

フェルメール作品「牛乳を注ぐ女」は事前知識などなくてもじゅうぶん楽しめる作品だと思います。

しかし、知らずにいると見落としてしまいそうな(キューピット・クギなど)ネタを知っていれば作品を見たときの楽しみがもっと広がるのではないでしょうか。

 

2018年10月より上野の森美術館にて「牛乳を注ぐ女」が出展されます。

 

ところで、話は変わりますが、最近「牛乳を注ぐ女」のパロディである「何にでも牛乳を注ぐ女」というものが、すごくバズって(流行って)いるそうです。

ついでなので、その動画も紹介しておきますね。

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